「指定席ですか、自由席ですか?」
新幹線で隣に座った知らない人と結婚した友人がいる。
同じ会社で働いていた女の人なのだけれど、あるとき出張で大阪にいかなくてはならなかったのです。
本当は翌日朝でも間に合ったのだけれど、ちょっと余裕を持っていこうかなと思い、前日の新幹線にしたそうだ。
ところが、トンネル事故で新幹線が途中、停まってしまった。
それも5時間も。
隣に座っていた知らない男の人となんとなく話すようになり、連絡先を交換し、会うようになり、そして結婚したのです。
隣に座った人は、友人の結婚式に参加した帰り。
披露宴でも二次会でも、期待していたような出会いもなく、ちょっとがっかりしながらの帰路だったそう。
「おお~」と話を聞いた私たち会社の同僚はどよめいたね。
「そんなすてきな出会いがあるなんて・・・」
「なんとラッキーな・・・」
「運命の出会いってかんじ・・・」
とうっとりしているときに、誰かが鋭い質問をした。
「指定席ですか、自由席ですか?」
みなさん、どっちだと思いますか?
「自由席」だったのです。面白いでしょう。
出会いのポイントって、「自由席」なんだと思ったのですよ。
なんというか、その保険のかけていない感じが。
年を食ってくると、なにごとにも保険をかけてしまいがちでしょう。
それも安心だし、心地の良いことだけれど、たまには「自由席」みたいなことをやってみようかなと思ったわけです。
そして結婚したら「指定席」にするのですよ・・・(以下妄想)