空中あり?空中なし?
空中あり?空中なし?で通じる人、いますか?
子どものころの「高い鬼」のルールです。
鬼ごっこは鬼につかまれば負けだけれど、地面より高いところにたっていれば、つかまらないのが「高い鬼」だ。
塀から降りてダッシュして、花壇のふちのブロックに登れば、鬼はつかまえられない。
もちろんその間につかまれば、負けになる。
自分がたっている高い場所から、体がはみ出ている場合、これを「空中」って呼ぶんだけれど、これをつかまえられるとするか、しないかが、「空中あり」「空中なし」で決まるのです。
今はどっちがどっちだったか、忘れてしまったのだけれど。
ふと思い出して、子どもってフィクションをものすごく明晰にとらえていたんだな、と感じる。
自分たちのルールが、そう決めただけのフィクションだということを知っていて、それでいて存分に真剣に遊んでいた。
「あそこに登れば大丈夫」なルール、体をぺっちゃんこにして「はみ出ていませんよ」とアピールするルール、次に遊ぶときは反対になるかもしれないルール。
そういうことになっているということさえ明晰であれば、いくらでも大人だって遊べるんだなあ、それも真剣に、と、そのように思ったのです。
だからたまには、「空中あり?空中なし?」と高らかに自分に聞いてみたいと、思ったのです。