どんなヒロシ
世の中にはいろんな「ヒロシ」がいるよねえ、と考えた。
ちびまる子ちゃんのお父さん。
寅さんの義弟(さくらさんの夫ね)。
『そんなヒロシに騙されて』のヒロシ。
私のまわりにはどんなヒロシもいないのだけれど、選ぶのであれば、寅さんの義弟のひろしさんが偉いと思う。
まあ、この三択っていうのが無理があるのだけれど。
ひろしさんって本当にできた人なのですよ。
寅さんが付け焼刃の知識を披露する。
「それ、どういう意味だい」と(タコ社長あたりから)聞かれて、答えに詰まると寅さんは、「どうだひろし、お前ちょっと説明して見ろ」なんていうわけです。
するとひろしさんは、嫌な顔も見せずに、ちゃんと首のタオルなり手ぬぐいなりをとってから、「それはね、兄さん、僕はこう思うんですが、」と話し始める。
えらいな~、ひろしさん。できた人でしょう。
こういう人ならば、どんなくだらない質問、例えば
「トシちゃんとマッチって、どっちが年上なんだっけ?」とか、
「鴎外の『雁』ってさ、『がん』って読むんだっけ、『かり』だっけ?」
を交互にされてもきっと嫌がらないだろうと思う。
実にこの二大愚問は、私が何度教えてもらっても答えを忘れちゃう疑問なのです。
従って、この二大愚問に親切に答えてくれそう、または気兼ねなく聞けそう、というのが私のある種の判断基準になっているわけです。
他の2人のヒロシだったら、絶対答えてくれなそうでしょう。
そういうわけで、私は常にひろしさんにエールを送っている。